【奥行きが出る背景の塗り方】塗り絵の完成度を上げるコツ③

今回は、作品の完成度を上げるコツの3つ目として、「奥行きが出る背景の塗り込み」について解説していきます。遠近感のある世界観を作って、作品のレベルをぐっと上げていきましょう。



前回に続き、今回使用する線画はこちらです。

>> 蝶々の少女の線画

すぐに塗れるダウンロード版と、塗りやすい専用紙に印刷済みの線画の2種類をご用意しています。ぜひお好みに合わせてチェックしてみてください。

それでは始めていきましょう!




■ 作品の完成度を上げるコツ

完成度を上げるコツとして押さえておきたいのは、基本の塗り方に“プラスアルファ”を足していくということです。
このシリーズでは3つに分けて解説してきました。

1つ目は「細かい色の変化をつけること」。
2つ目は「線画が描かれていない部分の塗り方」。

そして3つ目となる今回は、奥行きが出る背景の塗り込み」を紹介します。




前回は人物部分までを塗りました。今回はさらに背景までしっかりと塗り込み、作品の世界観を大きくアップさせていきます。

背景の塗り方に不安がある方は、別レッスンでもある「基本の塗り方」や「空の塗り方」の動画もぜひご覧ください。

>> 背景基本の塗り方

>> 夕焼け空と海の描き方

 



■ 線画の中の「奥行き」を理解する

塗り絵は線画の状態のままだと平面ですが、色を重ねていくことで立体感が生まれます。


今回の線画では、手前から奥へと次の7つの段階に分けることができます。

  1. 一番手前:髪の毛の三つ編み

  2. 肌や顔

  3. 耳の後ろにくる髪の毛(顔より奥)

  4. 蝶の羽

  5. 背景にいる蝶

  6. 背景の枠


この7段階を意識して色を入れると、立体感のある仕上がりになります。



ここまででも作品として十分ですが、完成例の右側では、手前の三つ編みよりさらに手前に輝きや白い丸が加えられ、さらに奥の方にも小さめの光が入り、遠近感の層が増えて奥行きが深く感じられるようになっています

「背景=後ろ」と思いがちですが、今回は「手前にも光や丸を入れていく」ことがポイントです。

線画を全て塗った後にこの“プラスアルファ”を足すことで、より華やかで完成度の高い作品に仕上がります。

 



■ 使用する道具

今回は、次の道具を使用します。白の発色が良い色鉛筆を使うのがおすすめです。

  • 色鉛筆

  • 消しゴム

  • 白ペン




■ 背景をしっかり濃く塗る理由

最後に描く輝きや白い丸をはっきり見せるためには、背景をしっかり濃く塗り込むことがとても大切です。色が薄いと白が目立たず、完成度が下がってしまいます。

一度で濃く塗るより、薄く塗ってから重ねていく方が、ムラなく綺麗に濃く仕上がります。花や葉も立体感を意識して、色と影のバランスを見ながら塗り込みましょう。

 



背景を黒く塗り進めると、蝶の羽の黒と差がなくなるため、羽の周りを消しゴムで一度消して白い縁を作るようにします。
人物の周りも同様に、白い隙間を残すように消しゴムをかけていきます。ペン型の消しゴムがあると便利です。



背景は、紙の白い粒が見えなくなるくらいまでしっかり塗り込むのが理想です。

 



■ プラスアルファ:光やキラキラを描き足す

背景が塗れたら、いよいよプラスアルファの工程です。


まず白ペンで、消しゴムで抜いた白い縁の周りに点を打っていきます。


ただ縁取るだけでなく、光が放たれているように見える効果が出ます。



次に電動消しゴムで髪の毛の上を丸く消し、光の粒を作ります。電動タイプは濃く塗った上からでもしっかり消すことができます。
その上から白色鉛筆で塗り、周囲に影を入れると、立体的な輝きになります。


髪の毛の上にも白ペンで細かな点を打ち、キラキラ感を追加します。華やかさが一気に増します。



■ 背景の「ホワホワ丸」で奥行きを追加


背景には、ふわっとした丸(光の玉)を描いていきます。
大きさを変えることで奥行きや動きが生まれます。

  • 水色や薄紫色で丸を描く

  • 先に少し消しゴムで消しておくと色が入りやすい

色を入れる理由は、

  • 背景の白と手前の白を区別するため

  • 手前の光をより目立たせるため

です。

丸の上から白色鉛筆でふんわり塗り、外側にわずかに色を残すと柔らかく光っているように見えます。



白ペンには筆ペンタイプの「ミルキーブラッシュ」を使用しています。濃淡の調整がしやすく、輝きがリアルになります。

>> ミルキーブラッシュ(Amazon)

全体のバランスを見ながら、白い丸やキラキラを増やしていきましょう。

仕上げに、

  • 影を濃くする

  • 足りない部分を補う

  • 逆に重くなった部分を軽くする

など微調整をして整えます。



■ 完成(まとめ)

作品全体に遠近感の層が増え、奥行きも華やかさもアップしました。

今回は3回に分けて作品の完成度を上げるコツを紹介しました。
まだ1回目・2回目を見ていない方は、ぜひそちらもご覧ください。

今後の作品作りでも、いろいろなパターンでアレンジを楽しんでいただければ嬉しいです。

塗った作品は、ぜひ塗り色公式サイトの「みんなの塗り絵」に投稿して見せてください。
動画の感想やリクエストもお待ちしています。

 

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