【線画のない部分の塗り方】塗り絵の完成度を上げるコツ②

今回は「作品の完成度を上げるコツ」を3回に分けてご紹介していく中の、第2回目です。

第2回のテーマは「線画のない部分の塗り方」です。少しずつステップアップできるように頑張っていきましょう。




前回に続き、今回使用する線画はこちらです。

>> 蝶々の少女の線画

すぐに塗れるダウンロード版と、塗りやすい専用紙に印刷済みの線画の2種類をご用意しています。ぜひお好みに合わせてチェックしてみてください。

それでは始めていきましょう!

 


 


まず、作品の完成度を上げるために知っておいてほしいのが、「基本の塗り方にプラスアルファを加えていく」という考え方です。

前回はその1つ目として「細かい色の変化をつける」方法を紹介しました。今回の2つ目は、「線画が描かれていない部分の塗り方」です。

「何も描かれていない部分が一番困る…」という方も多いと思います。今回はその対処法をしっかりお伝えします。



前回の動画ではここまで塗りました。



今回は、線が少ないシンプルな服の部分を塗っていきます。何も書き込みがなく、立体感のヒントが少ない線画でも、塗り方のコツを知ればこのように素材感や立体感をしっかり表現できます。


まずは布のシワの描き方を理解するために、以前公開した2つの動画も参考になるので、まだの方はぜひご覧ください。

>> 布のシワの塗り方と考え方① ー 基本の考え方とリボンの塗り方

>> 布のシワの塗り方と考え方② ー スカートとカーテンの塗り方






こちらはただ数本の線が描かれているだけに見えますが、実際には布のシワを表す線です。
布のシワの仕組みを理解すると、少ない線からでも立体感や質感を描いていけます。

ここでは、

  1. シワを示す線

  2. 外側の輪郭線

  3. 下にある体のライン(実際は見えない)

この3つをヒントに影を入れていきます。

 

今回は白っぽい服にしたいので、グレーを使って塗ります。まずは線画の線に沿って塗り始め、線より少し長めに布の流れを意識して影をつけます。


服の下にある肩の丸みを意識しながらシワを描き、線画の線から少し離して同じ形の影を入れることで、布が盛り上がっているように見せます。



カーブしている部分も同様に、線から少し離した位置に影を入れていきます。影を伸ばしていくと、描かれていない部分にも布の盛り上がりを表現できます。先ほど入れた影が“下がっている部分”、間を空けたところが“上がっている明るい部分”なので、また少し離れた場所に影を入れることができます。

これを繰り返すことで布の動きがどんどん生まれてきます。布が重なっている部分は、下になる側に影を入れることで厚みを表現できます。



全体を整えるために、雰囲気に合う色を加えて統一感を出すのもおすすめです。影は線画に近い部分を濃く、外側へ向かって明るくグラデーションにします。

線画のない部分に入れた影にもさらに暗さを加えて、布の立体感を強調します。

もっと色を入れたいところですが、周りとのバランスを見ながら進めるため、いったんここで止めておきます。



背景に色が入った後、再度バランスを見て塗り重ねていきます。

白い布に暗色を入れすぎると白く見えなくなるので、薄めの明るい色を使うのもお勧めです。今回は全体を寒色系にしたいので薄いブルーを使っていますが、暖色系なら黄色やピンクを加えるのも良いでしょう。

どの色を選ぶ場合も、強く塗りすぎず、周りとのバランスを見ながら白く見える程度に色を入れてください。

今回は背景や人物にも黒を多く使っているため、多少色を入れても白く見えやすく、多めに色を加えても大丈夫です。


 



完成した作品がこちらです。最初の線画と比べると、布のシワが増えて質感も立体感もアップしています。

線画が描かれていない部分でも、今回のように“ヒントになる線”を探し、そこから少しずつ陰影をつけ、形を考えながら塗ることで、しっかり塗り込んでいけます。

シンプルな線画はベタ塗りになりがちですが、ぜひ今回のポイントを応用して立体的に塗ってみてくださいね。

 


 



次回の「完成度を上げるコツ③」では、「奥行きを出す背景の塗り方」を紹介します。

ご視聴ありがとうございました。動画のリクエストや感想もお待ちしています。それでは、また。

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