布のシワの塗り方と考え方② ー スカートとカーテンの塗り方

今回は「布のシワの塗り方と考え方」の第2回として、スカートカーテンを題材に実践します。動画と同じ線画は、ヌリイロ公式サイトで ダウンロード版印刷済み線画 の2種類から選べます。用途に合わせてご活用ください。


1. シワの基本(復習)

布を横から見た断面図をイメージすると、下側ほど暗く、上側ほど明るいグラデーションになります。線画に入る「シワの線」は主に次の2パターンです。

  • Aパターン(明暗の境目)
    線を境に片側を暗く、反対側を明るくします(左右または上下のどちらか)。

  • Bパターン(影の芯)
    線が最暗部を示すときは、線を中心に暗さを置き、外側へ徐々に明るくなるように塗ります。

実際の布ではAとBを併用することがよくあります。


2. スカートの塗り方

  • 一体感を出す
    スカートのシワ線は途切れて見えても、同じ一枚布の連続です。線より少し長めに影を伸ばし、つながりを意識します。

  • 裾(ヘム)の波形で起伏を読む
    裾が波打つ形を手掛かりに、上に来る部分=明るい/線に向かって暗く
    この場合、線は最暗となり、左右にも暗さを乗せるBパターンで処理します。

  • 奥行き(前後関係)
    中央から左右へ奥行きがあるため、後ろ側(左右の奥)は中央より暗めに。位置関係に応じて暗さを段階付けすると立体感が増します。

  • デザインに合わせた見極め
    スカートのデザインによってAになる箇所もあります。例えばウエスト付近の小さな寄りシワは、右を明るく・左を暗くするAパターンで。

  • 重ね塗りと質感
    明るい部分にもごく薄く色を入れてなめらかなグラデーションに。
    黄緑→緑を重ねて色に深みを出し、ウエストはツヤ感が出るようフラットに整えます。
    最暗部には黒を“軽い力”で置き、強く出しすぎないように。



3. カーテンの塗り方

  • たるみの読み取り
    上部の線画のカーブから布のたるみが分かります。たるみの中央(手前側)は明るくなります。

  • タッセル周り
    リボン同様、束ねられた部分にシワが集中して暗くなります。重なりや引っぱりがあるため、線の片側を暗く、反対側を明るくするAパターンが有効。

  • 光源の想定
    窓から中央に光が入る想定なら、全体は中央が明るく、両サイドが暗め。大きな面でも、各たるみ単位でもこの考え方を適用します。

  • 具体的な塗り分け
    上部の沈み込むシワ線は両側が暗いBパターン
    タッセル上のシワ線はAパターン(片側暗・片側明)で。
    シワは線画より長く描き足し、右側をやや暗めにして奥行きを強調します。
    タッセル下にも影を入れ、右を暗く・左を明るくグラデーション。

  • 色の重ね方
    黒は薄く優しく置き、のちに青を重ねて馴染ませると黒が浮きません。
    明るい部分にも水色を薄く入れて統一感を出し、左側も同様に仕上げます。

  • 仕上がりの整理
    カーテンは、上部のたるみ=Bパターンタッセル周りと下部=Aパターンミックスで完成。



4. 観察のコツ

もし難しく感じたら、身近な布や洋服を観察しましょう。
どこに線が入るか」「線のどちら側が暗く(明るく)なるか」を見極める癖をつけると、A/Bの判断がすぐにできるようになり、さまざまな布が塗れるようになります。




5. まとめ

2回にわたって布のシワの考え方と塗り分けを解説しました。

  • Aパターン:線=明暗の境目(片側暗・片側明)

  • Bパターン:線=影の芯(中央が最暗、外へ明るく)

何度も塗って、ぜひ体に染み込ませてください。感想やリクエストはコメントへ、完成作品はヌリイロ公式サイト「みんなの塗り絵」への投稿もお待ちしています。ありがとうございました。

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