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消しゴムは「修正するための道具」だけではありません。使い方次第で、光や質感、模様を“描く”ことができます。ここでは、よく使える消しゴムの種類と、描画に活かすテクニックを紹介します。
1. 消しゴムの種類
一般的な消しゴム
鉛筆を消すために作られた消しゴム。鉛筆やシャープペンの線、ラフスケッチ、鉛筆画、木炭デッサンの修正に適しています。
ただし、色鉛筆は芯の成分が異なるため、一般的な消しゴムでは“消える”というより、色が伸びて擦れやすくなります。
色鉛筆用消しゴム
色鉛筆の線を比較的きれいに薄くできます。メーカーや色によって消えやすさに差はありますが、一般的な消しゴムより有効です。
代替で使えるおすすめ
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サクラクーピー用消しゴム:クーピーと色鉛筆は成分が違いますが、この消しゴムは色鉛筆にもよく効きます。
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無印良品の消しゴム:色鉛筆用ではないものの、入手しやすく、色鉛筆でも比較的よく消えます。
スティック型(ホルダータイプ)
ボタンを押すと芯のように消しゴムが出るタイプ。丸軸や角軸、太めなど形状が豊富。細い分だけ力が伝わりやすく、細部の修正やハイライトの“描き込み”に最適です。替え消しゴムを入れて繰り返し使えます。

電動消しゴム
最も“消す力”が強く、修正というよりペン感覚で描く用途に向きます。先端を細・太で交換できるタイプが便利。100円ショップでも手に入るので試しやすい道具です。濃く塗った部分にも有効で、点描や微細な模様づくりに活躍します。
練り消しゴム
ちぎって練ってから使うタイプ。鉛筆・木炭・ソフトパステルなど粉っぽい画材に向きます。色を一気に削るより、トントンと押して“色を持ち上げる”ように使い、明度を調整します。色鉛筆でも、押し当てる使い方で少しずつ薄くできます。
2. 消しゴムで“描く”基本テクニック
ハイライトを入れる(丸・ハートの例)
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スティック型、または普通の消しゴムの角を使用。
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丸の右上を小さく円を描くように消して光を入れる。持ち手を下側で支えると折れにくい。
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ハートはカーブに沿って消し、ツヤ感を強調。消した後は周囲を整える。
同じ箇所に電動消しゴムを使うと白さが際立ち、質感が硬めに見えます。手動と電動を重ねると、明るさの段階が生まれ、より立体的に。
キラキラ(光の線・粒)の描き方
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背景にまっすぐの光線を消しゴムで引く。フリーハンドが難しければ定規を使用。
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中心を丸く消し、外側へ向けて“シャッシャ”と塗るように消すと、端が薄まり線ではなく“光”らしく見えます。
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周囲に細かな光の粒を点在させると効果的。
電動消しゴムのコツ(星空など)
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先端を軽く当ててすぐ離すと、ひっかき傷のようになりがち。
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しっかり押し当ててから離すと、きれいな丸い点光になります。押し当てる時間で大きさを調整。少し回転させると大きめの光に。
色鉛筆で“光をにじませる”
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消してできた光の粒の外側にはみ出すように色を重ねると、ぽわっとした発光感が出ます。白でまとめても、カラフルにしても美しい星空表現に。
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電動でくっきり → 手動でやわらかく、の二段階で整えると、より自然でリアルな輝きに。
使い終わった消しゴムは、汚れを紙でこすって落としてから再使用すると、白さが保てます。
3. 応用例
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キラキラや光の流れを消しゴムで描いた背景。
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四角定規を使い、直線的なハイライトで構成した背景。
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水面の反射表現は電動消しゴムを中心に、白ペン・白色鉛筆を併用。
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桜の花びらや、目の中のきらめき、メイクの模様など、細部表現にも消しゴムが大活躍。

4. まとめ
鉛筆やペンで“描く”だけでなく、「消しゴムで “描く”」ことで表現の幅が大きく広がります。目的に合わせて種類を使い分け、手動と電動、消しと重ね塗りを組み合わせれば、光・質感・立体感を自在にコントロールできます。
ぜひ作品づくりに取り入れてみてください。ご視聴・ご覧いただきありがとうございました。感想やリクエストもお待ちしています。

