【人物基本②】肌と立体的な顔の塗り方

今回は、人物の肌と「立体的に見える顔」の塗り方を解説します。顔を立体的に見せる影の入れ方や、自然な肌色の作り方を順を追って進めていきましょう。

線画はこちらからダウンロードできます。ぜひ一緒に塗ってみてください。前回の動画では髪の毛の塗り方を解説しているので、まだの方はそちらもご覧ください。



使用画材(例:ホルベイン アーチスト色鉛筆)

手元の色鉛筆で近い色があれば、別メーカーでも問題ありません。

  • 肌のベース
    OP022 ピンク、OP122 ジョーン・ブリヤン(Jaune Brilliant)
    ※代用:ピンク系、うすだいだい系

  • 影(陰影)
    OP180 バーントアンバー、OP057 バーントシェンナ(Burnt Sienna)
    ※代用:茶色、焦げ茶色


  • OP449 マゼンタ(Magenta)
    ※代用:あかむらさき系

  • 仕上げ用
    OP019 シェルピンク(肌のなじませ・混色用/代替のない色)

  • 線・まつ毛・眉
    OP510 ブラック(黒)

  • ハイライト
    OP500 ホワイト(白)



塗り絵START!

1. 影の下塗り

まず、影になる部分から塗ります。
目の周りは、眼球の丸みを意識し、線の方向に合わせて色鉛筆の芯を少し寝かせ、側面を使ってやさしく塗りましょう。ピンク系を使うと、可愛らしい雰囲気の肌色になりやすいです。

は「小鼻(左右の丸)+鼻先(中央の丸)」の3つの丸を意識します。最も高く明るくなるのは鼻先。小鼻の下や鼻孔の下など、下側に影を入れます。陰影は、球体や台形の面を意識すると形がとらえやすくなります。鼻筋は縦に一直線ではなく、左右から八の字を描くような斜めの動きで塗ると高さが出ます。

眉間からおでこにかけてのくぼみは、薄く影を入れます。

口元は、口角に小さな丸を描くように影を入れると口角が上がって見え、可愛らしい印象に。下唇の下にも、輪郭に沿ってやや長めに影を入れると、ふっくらと立体的になります。


2. 首・耳・輪郭

は顔より奥にあるので、全体的に影を多めに。外側の輪郭や顎の下を暗くし、中心へ向かって徐々に明るくすると立体感・奥行き感が出ます。も顔より奥にあるため、やや暗めに。
顔の外側の輪郭も少し暗くして奥行きを出します。広い面を塗るときも、塗りムラや隙間が出ないよう、線の流れ・角度に合わせて丁寧に重ねていきます。顎の丸みも意識して。


3. 唇と目もと

は、上唇の半分くらいの位置まで影を入れ、下唇も半分程度まで影を入れます。中央に小さな丸を意識し、左右へ影を広げると、縦横の両方向に丸みが出て立体的になります。
目の中にも茶色で軽く影を。上まぶたのキワなど、線画の近く(影になりやすい境界)をやや濃くすると自然です。


4. 重ね塗りで立体感を高める

薄い色から少しずつ重ね、濃さを上げていきます。線画の近くを要点的に濃くしながら、全体のバランスを見て調整すると、自然な立体感が出てきます。
色を重ねたら、薄い色で上から軽くなじませ、肌の色を整えます。最初から強く塗らず、徐々に濃度を上げるのがコツです。頬骨は明るくなるので、その周囲に影を入れると、頬全体に丸みと立体感が生まれます。


5. 線を「影」に変える

茶色を線画の上から薄くかぶせると、黒い「線」感が和らぎ、「影」に見えるようになり、自然に馴染みます。


6. パーツの深め方

唇はピンクの上からマゼンタを重ね、影側から芯の横を使ってやさしく塗ります。目頭・目尻に赤みを少し加えると血色が出ます。黒目や眉毛は、流れに沿って毛を描き足すと自然です。必要に応じてブラックで締め、コントラストを整えます。上まぶた側に茶色で半分ほど影を入れ、まつ毛は一本一本生やすように描きましょう。


7. 肌色のなじませ(シェルピンク)

OP019 シェルピンクは、下色をなめらかに混ぜるのに最適です。芯の横を使い、上から「混ぜる」感覚で塗ると、白よりも肌になじみやすく、きれいな質感になります(単品購入可)。


8. 首・耳の濃度の最終調整

再度、顔より首をしっかり暗くすることで奥行きが増します。なお、首の奥にある髪の毛より暗くし過ぎないよう注意。も同様の考え方で調整します。


9. ハイライトと髪の引き締め

白(ホワイト)でハイライトを入れます。白にも色を伸ばし・なじませる効果があるため、周囲を軽くぼかすように塗ると滑らかです。
髪は最も奥になる暗部に黒をごく薄く重ね、下の茶色を活かしながらメリハリを出します。暗色は塗り残しが特に目立つので、端まで丁寧に。


10. 仕上げ

全体のバランスを見て微調整し、完成です。




まとめ・次へのヒント

一度で思い通りに仕上げるのは難しいので、復習しながら完成度を高めてみてください。慣れてきたら色数を増やしてよりリアルにしたり、雰囲気を変えるのも楽しいです。シンプルな線画ほどアレンジの幅が広がります。

線画はダウンロードして何度でも練習できます。仕上がった作品は、ぜひ「ヌリイロ」のみんなの塗り絵に投稿してみてください。同じ線画でも塗り方の違いが勉強になって、とても楽しいですよ。感想やリクエストはコメントでお待ちしています。ありがとうございました。

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