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今回は、立体感のある艶やかな髪の毛の塗り方を解説します。これは髪の毛を塗る際の基本的な技法です。線画はこちらからダウンロードできますので、ぜひプリントアウトして一緒に塗ってみてください。
使用する色
準備するのは、明るい色・中間色・暗い色の同系色3色です。今回は黄土色、茶色、焦げ茶色を使用します。お手持ちの色でも構いませんので、同系色を揃えてみてください。
光と明暗の考え方
正面から光が当たっていると、髪の毛は球体のように見えます。
- 手前の前髪が一番明るく、
- その次に中間の明るさ、
- 耳の後ろや奥の髪は最も暗くなります。
前髪の真ん中あたりが最も前に出ているため一番明るく、上下が暗くなります。奥行きを考える際は「明るい・中間・暗い」の三段階を意識しましょう。
基本の塗り方
髪の毛は流れに沿って塗ることが大切です。線画に描かれている途中の補助線は「ここからこうつながっている」というガイドラインです。無視してまっすぐ塗ってしまうと、不自然で艶も立体感も失われてしまいます。
ここで使うのは「シャッシャッ塗り(力を入れてから抜くストローク)」です。カーブに合わせ、暗い部分から明るい部分に向かってストロークを重ねていきます。鉛筆は尖らせておき、力を入れすぎず軽く塗ることを意識してください。
重ね塗りで立体感を出す
- まず中間色で髪全体の流れに沿って塗ります。
- 次に暗い色を加え、先ほどより短めのストロークで重ねると、艶が出て立体感が強まります。
- そのままでは白い部分が残って不自然なので、明るい色を全体に軽く重ね、自然なグラデーションを作ります。
この「重ね塗り」によって髪の質感が表れ、立体感も増していきます。
横や奥の髪の毛
横の髪はカーブが複雑です。細い毛先から広い部分に向かってストロークを入れると、自然な艶が表現できます。焦げ茶色など暗い色を短めに重ねると、さらに奥行きが出ます。前髪との重なり部分は、前髪が手前にあることを意識して奥を暗く塗ると、立体感が際立ちます。
奥の髪(耳の後ろや後頭部)は一番暗い部分になります。周囲を優しく塗ってから暗い色を重ねると、飛び出さずに自然に奥に見せることができます。
黒の使い方
さらに艶を強調したい場合は黒を加えます。ただし黒は強すぎるので、力を入れすぎず軽く使いましょう。黒を直接使ったあとに茶色を重ねると、自然に馴染みます。
仕上げとバランス
部分的に塗り込みすぎると全体のバランスが崩れるため、常に全体を見ながら調整することが大切です。顔や体、背景とのバランスも考えながら、7〜8割程度仕上げてから全体を整えていくと良いでしょう。
まとめ
- 髪の流れに沿って「シャッシャッ塗り」でストロークを入れる
- 「明るい・中間・暗い」の3段階を意識する
- 重ね塗りで自然なグラデーションを作る
- 黒は軽く使い、必ず他の色で馴染ませる
- 常に全体を見ながらバランスを整える
この方法で塗れば、サラサラとした艶やかで立体感のある髪の毛を表現できます。
次回は、「可愛さと立体感のある顔の塗り方」をレッスンしていきます。