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今回は、コットンボールのような毛玉・毛糸玉・ファーなどに応用できる塗り方です。
「ベタ塗りはできるけれど、ふわっとした柔らかさや、毛のフサフサ感がうまく出せない…」
そんなときに役立つ、柔らかい素材の表現方法をまとめました。
今回のテーマ:ふわふわ/フサフサの描き方
柔らかい素材といっても種類はさまざまですが、今回扱うのは次のような質感です。
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コットンボールなどの毛玉
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毛糸玉
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ファー素材
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動物の毛(応用)
まずは円(球体)を使って、質感と立体感をわかりやすく練習していきます。
今回の線画も、ヌリイロサイトから無料ダウンロードもできますので、必要な方はお使いください♪
>> 質感の塗り方(練習用)線画ダウンロード
ベタ塗りだけでは質感が出にくい理由
円の中を基本通りに塗れば、きれいにムラなくベタ塗りできます。
ただ、その塗り方だけだと、素材の柔らかさや立体感が表現しにくいのがポイントです。
柔らかさを出すには、「塗り方の道具(芯の使い方)」と「動かし方」を変えていきます。
ふわふわ感を出すコツ(芯の横+くるくる塗り)
● 芯の横の広い面を使う
柔らかさを表現したいときは、色鉛筆の芯を削り、芯の横の広い面で塗ります。
紙に広い面を当てて、太く柔らかなタッチで塗ると、それだけでふんわりした印象になります。
● くるくる回すように塗る
さらに、手をくるくる回すように動かして塗ると、よりふわふわ感が出ます。
通常のくるくる塗りは「隙間なく塗る」ほうがきれいですが、質感を出したいときは逆で、
あえて塗り跡が少し残るくらいの隙間があるほうが、柔らかさが伝わりやすくなります。
フサフサ感を出すコツ(シャッシャッ塗り)
フサフサ感は、細い毛の線を重ねて表現します。
● 細い線をたくさん描く
毛のような細い線を、方向や長さを少しずつ変えながらたくさん描くと、フサフサした質感になります。
● 段階を分けて層を作る
さらに「一度に全部描く」のではなく、何段階かに分けて重ねると奥行きが出ます。
毛が重なったような立体感が作れるようになります。
● 下側に影を入れて立体感アップ
より立体的にしたい場合は、下側に影を入れます。
影が入ることで毛の重なりが自然になり、ボリュームも増します。動物の毛にも応用できます。
実践:ふわふわの球体を塗る手順
① 3色を用意する(明・中・暗)
メインの色を決めたら、同系色の明るい色と暗い色を選びます。
今回は以下の3色を使用します。
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メイン:焦げ茶
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明るい色:ベージュ
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暗い色:黒
※似た色や、 好きな色でもOKです。
② 芯の横で全体をふんわり下塗り
芯の横を使って、柔らかいタッチで全体をくるくる塗ります。
重ね塗りするので、最初は濃くしすぎず、ふんわり薄めに塗っておきます。
③ 球体のカーブに合わせて影を入れる
立体感を出すために、球体をイメージして暗い部分を入れていきます。
このとき、影のラインがまっすぐになると立体感が出ないので、必ずカーブに沿って入れるのがポイントです。
④ 明るい色・暗い色を重ねて丸みを強調
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明るい色は上側(光が当たる部分)を多めに重ねる
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暗い色は下側を中心に重ねる
これで球体の立体感がはっきりしてきます。
⑤ あえて少しはみ出して毛玉感を出す
さらに素材感を強めるために、輪郭から少しはみ出すように塗ります。
こうすると、毛がふわっと広がったような毛玉感が出ます。
はみ出す量が多いほど「毛の量が多い印象」になるので、好みで調整しましょう。
3色を重ねながら、気に入るところまで仕上げて完成です。
実践:フサフサの球体を塗る手順
① 芯の横で下塗りし、明暗を作る
ふわふわと同様に芯の横で全体を下塗りし、球体の明るい部分と暗い部分を意識しながら色を重ねます。
② 芯を尖らせて、毛の線を描き足す(シャッシャッ塗り)
下塗りができたら、色鉛筆を尖らせて毛の線を描いていきます。
毛の線は球体のカーブに沿わせ、線画の外にはみ出すように描くと自然です。
③ 毛を層にして増やす
下の段に毛を描いたら、その上にも少しずつ描き足し、段階的に層を作ります。
層ができるほど、フサフサ感と立体感が増します。
④ 明るい色は上側、暗い色は下側を多めに
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明るい色:上側を中心に毛を増やす
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暗い色:下側を中心に毛を増やす
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中間色:全体をつなぐように調整する
⑤ 注意:力を入れすぎるとベタッとする
毛の量が多いほどフサフサ感は出ますが、力を入れすぎたり線が丸くなると、線がつぶれてベタ塗りっぽくなります。
軽い力で、線の方向・長さを変えながら重ねましょう。
⑥ 一気に描かず、交互に重ねるのがおすすめ
一度で描き切るより、色を交互に重ねて少しずつ増やすほうが、バランスが取りやすく自然です。
段差がなくならないように、暗い部分にも少し明るさを残しつつ、カーブを意識して仕上げます。
応用:球体以外にも使える(ファー・マフラー・動物の毛)
この塗り方は球体だけでなく、次のようなモチーフにも応用できます。
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ファーのバッグ
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マフラー
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動物の体(毛並み)
どのモチーフでも共通するポイントは、形のカーブを意識して毛を増やすこと、そして層(段差)を作ることです。
完成:柔らかい素材は「芯の使い方」と「重ね方」がカギ
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ふわふわ:芯の横+くるくる塗り(あえて塗り跡を残す)
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フサフサ:尖らせた芯で毛の線を重ね、層と影で立体感を作る
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どちらも共通して、球体の「カーブ(明暗)を意識」すると完成度が上がる
柔らかい質感は応用範囲が広いので、ぜひ繰り返し練習してみてください。
次回は「硬くてツルツルした素材」の塗り方を紹介予定です。お楽しみに!

