柔らかいフワフワ&フサフサ | いろいろな素材の塗り方①

今回は、コットンボールのような毛玉・毛糸玉・ファーなどに応用できる塗り方です。

「ベタ塗りはできるけれど、ふわっとした柔らかさや、毛のフサフサ感がうまく出せない…」
そんなときに役立つ、柔らかい素材の表現方法をまとめました。



今回のテーマ:ふわふわ/フサフサの描き方

柔らかい素材といっても種類はさまざまですが、今回扱うのは次のような質感です。

  • コットンボールなどの毛玉

  • 毛糸玉

  • ファー素材

  • 動物の毛(応用)

まずは円(球体)を使って、質感と立体感をわかりやすく練習していきます。

今回の線画も、ヌリイロサイトから無料ダウンロードもできますので、必要な方はお使いください♪

>> 質感の塗り方(練習用)線画ダウンロード

 



ベタ塗りだけでは質感が出にくい理由

円の中を基本通りに塗れば、きれいにムラなくベタ塗りできます。
ただ、その塗り方だけだと、素材の柔らかさや立体感が表現しにくいのがポイントです。

柔らかさを出すには、「塗り方の道具(芯の使い方)」と「動かし方」を変えていきます。

 



ふわふわ感を出すコツ(芯の横+くるくる塗り)


● 芯の横の広い面を使う

柔らかさを表現したいときは、色鉛筆の芯を削り、芯の横の広い面で塗ります。
紙に広い面を当てて、太く柔らかなタッチで塗ると、それだけでふんわりした印象になります。


● くるくる回すように塗る

さらに、手をくるくる回すように動かして塗ると、よりふわふわ感が出ます。

通常のくるくる塗りは「隙間なく塗る」ほうがきれいですが、質感を出したいときは逆で、
あえて塗り跡が少し残るくらいの隙間があるほうが、柔らかさが伝わりやすくなります。

 



フサフサ感を出すコツ(シャッシャッ塗り)

フサフサ感は、細い毛の線を重ねて表現します。


● 細い線をたくさん描く

毛のような細い線を、方向や長さを少しずつ変えながらたくさん描くと、フサフサした質感になります。


● 段階を分けて層を作る

さらに「一度に全部描く」のではなく、何段階かに分けて重ねると奥行きが出ます。
毛が重なったような立体感が作れるようになります。


● 下側に影を入れて立体感アップ

より立体的にしたい場合は、下側に影を入れます。
影が入ることで毛の重なりが自然になり、ボリュームも増します。動物の毛にも応用できます。



実践:ふわふわの球体を塗る手順


① 3色を用意する(明・中・暗)

メインの色を決めたら、同系色の明るい色と暗い色を選びます。
今回は以下の3色を使用します。

  • メイン:焦げ茶

  • 明るい色:ベージュ

  • 暗い色:黒

※似た色や、 好きな色でもOKです。


② 芯の横で全体をふんわり下塗り

芯の横を使って、柔らかいタッチで全体をくるくる塗ります。
重ね塗りするので、最初は濃くしすぎず、ふんわり薄めに塗っておきます。


③ 球体のカーブに合わせて影を入れる

立体感を出すために、球体をイメージして暗い部分を入れていきます。
このとき、影のラインがまっすぐになると立体感が出ないので、必ずカーブに沿って入れるのがポイントです。


④ 明るい色・暗い色を重ねて丸みを強調

  • 明るい色は上側(光が当たる部分)を多めに重ねる

  • 暗い色は下側を中心に重ねる

これで球体の立体感がはっきりしてきます。


⑤ あえて少しはみ出して毛玉感を出す

さらに素材感を強めるために、輪郭から少しはみ出すように塗ります。
こうすると、毛がふわっと広がったような毛玉感が出ます。

はみ出す量が多いほど「毛の量が多い印象」になるので、好みで調整しましょう。
3色を重ねながら、気に入るところまで仕上げて完成です。

 



実践:フサフサの球体を塗る手順


① 芯の横で下塗りし、明暗を作る

ふわふわと同様に芯の横で全体を下塗りし、球体の明るい部分と暗い部分を意識しながら色を重ねます。


② 芯を尖らせて、毛の線を描き足す(シャッシャッ塗り)

下塗りができたら、色鉛筆を尖らせて毛の線を描いていきます。
毛の線は球体のカーブに沿わせ、線画の外にはみ出すように描くと自然です。


③ 毛を層にして増やす

下の段に毛を描いたら、その上にも少しずつ描き足し、段階的に層を作ります。
層ができるほど、フサフサ感と立体感が増します。


④ 明るい色は上側、暗い色は下側を多めに

  • 明るい色:上側を中心に毛を増やす

  • 暗い色:下側を中心に毛を増やす

  • 中間色:全体をつなぐように調整する


⑤ 注意:力を入れすぎるとベタッとする

毛の量が多いほどフサフサ感は出ますが、力を入れすぎたり線が丸くなると、線がつぶれてベタ塗りっぽくなります。
軽い力で、線の方向・長さを変えながら重ねましょう。


⑥ 一気に描かず、交互に重ねるのがおすすめ

一度で描き切るより、色を交互に重ねて少しずつ増やすほうが、バランスが取りやすく自然です。
段差がなくならないように、暗い部分にも少し明るさを残しつつ、カーブを意識して仕上げます。



応用:球体以外にも使える(ファー・マフラー・動物の毛)

この塗り方は球体だけでなく、次のようなモチーフにも応用できます。

  • ファーのバッグ

  • マフラー

  • 動物の体(毛並み)

どのモチーフでも共通するポイントは、形のカーブを意識して毛を増やすこと、そして層(段差)を作ることです。



完成:柔らかい素材は「芯の使い方」と「重ね方」がカギ

  • ふわふわ:芯の横+くるくる塗り(あえて塗り跡を残す)

  • フサフサ:尖らせた芯で毛の線を重ね、層と影で立体感を作る

  • どちらも共通して、球体の「カーブ(明暗)を意識」すると完成度が上がる

柔らかい質感は応用範囲が広いので、ぜひ繰り返し練習してみてください。

 

次回は「硬くてツルツルした素材」の塗り方を紹介予定です。お楽しみに!

レッスン に戻る