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今回は、「硬くてツルツルした素材」を色鉛筆で表現する方法を紹介します。
前回の「柔らかい素材」編に続いて、今回も球体の線画を使って、以下3種類の質感を描き分けていきます。
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プラスチック
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金属
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マットな金属
硬い質感の練習にぴったりなので、ぜひ一緒に塗ってみてください。
>> 柔らかいフワフワ&フサフサ | いろいろな素材の塗り方①
>> 質感の塗り方(練習用)線画ダウンロード
◆ 硬くてツルツルした質感を作る3つのコツ
① 光と陰の“コントラストの強さ”で素材感が変わる
硬さを感じる素材は、明るい部分と暗い部分の差(コントラスト)が強いという特徴があります。
例えば、ゴルフクラブのヘッドや金属部品は、明るい部分と暗い部分が急激に切り替わって見えます。一方で、缶のようなマットに近い金属は、コントラストがやや弱く、落ち着いた質感になります。
同じ「硬い・ツルツル」でも、「コントラストの強弱で質感が大きく変わる」という点を意識しましょう。
② 塗りムラを残さず、均一に塗る
ツルツルした表面を描くときは、
「隙間・ムラ・筆圧のばらつきをできるだけ出さない」ことが重要です。
線を残すような塗り方や、塗りムラがあると、表面がザラザラした印象になってしまいます。
ポイントは以下の通りです。
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小さく細かく動かして塗る
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いきなり強く塗らず、少しずつ重ねていく
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塗り跡が残らないように滑らかにつなげる
③ 光の位置を決め、影は「形に沿って」塗る
光源を決めたら、まずハイライトの位置を決定します。
影は球体のカーブに沿って、Cの字を描くようなイメージで入れていきます。
さらに、影の下には反射光の明るい部分を少し残すと、より硬い表面らしく見えます。
光→影→反射光の順でグラデーションを作ることで、球体の立体感が自然に出ます。
◆ プラスチック球体の塗り方
プラスチックの特徴

まず光の当たる位置を薄く印をつけ、カーブに沿って影を入れていきます。
影が直線的になると球体感が失われるので注意しましょう。
手順のポイント
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ハイライトを残し、周囲を薄く塗る
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影部分を少しずつ重ねて暗くする
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暗い色でもう一段階影を強調
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ピンクなどを重ねて滑らかなグラデーションを作る
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白色鉛筆でハイライト周りをなじませ、ツヤ感を演出
→ 滑らかな光の流れがプラスチックらしさにつながります。
◆ 金属球体の塗り方
金属の特徴

まずプラスチック同様にハイライトと影の位置を描きますが、
金属は特に「明暗差を大きくする」ことが重要です。
手順のポイント
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カーブに沿って影を入れる
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反射光部分を開けておく
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影を濃い色、さらに黒で重ねて深くする
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白色鉛筆でハイライトを強く出す
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塗り跡が残らないよう細かく動かして馴染ませる
金属は、「とにかくコントラスト強め」が仕上がりを大きく左右します。
ペン型消しゴムがあると、明るさの微調整もしやすく便利です。
◆ マットな金属球体の塗り方
マット金属の特徴
基本の塗り方は金属と同じですが、「光の強さを抑える」ことが大切です。
手順のポイント
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明るい部分・暗い部分を決めて塗る
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反射光も残すが、強くしすぎない
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全体を滑らかにつなげる
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暗い部分にだけ少し黒を重ねて質感を出す
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ハイライトにも薄く色を入れて“マット感”を作る
コントラストは「プラスチックと金属の中間くらい」を意識すると、ちょうど良い質感になります。
◆ 3種類の質感が完成!
プラスチック、金属、マット金属の3つの球体が完成しました。
質感ごとの“特徴とコツ”がわかると、今後はボトル、缶、アクセサリーなど、さまざまなアイテムに応用できます。ぜひ繰り返し練習して、硬い質感の描き分けを身につけてください。
ご覧いただきありがとうございました!


