共有する
「白ってどうやって塗ればいいの?」
これは、塗り絵やイラストを描く人が一度は悩むポイントではないでしょうか。
白いものは難しい、どこまで塗っていいかわからない、何色を使えばいいのかわからない
そんな悩みを持っている方はとても多いと思います。
でも実は、白に対する考え方・捉え方を知るだけで、白はぐっと塗りやすくなります。
今回は、白いものを塗るときの基本的な考え方をお伝えします。
「白=何もない」は思い込み
白色と聞くと、「色が何もない」「塗らないほうがいい」と感じてしまいがちです。
そのため、
-
どこまで塗っていいのかわからない
-
色を入れたら白じゃなくなりそう
-
何色を使えばいいのかわからない
と悩んでしまいます。
ですが、白は決して「何もない色」ではありません。
他の色と同じように、光と影があります。
白にも、
-
明るい白
-
暗い白
-
その中間の白
といった段階が存在しています。
白い服をよく見てみよう
例えば、白い服を着た人物のイラストを見てみてください。
全体としては白に見えますが、本当に色は何もないでしょうか。
部分的に見ると、影になっている場所は少し青みがかったグレーに見えたりします。
これは「色のない白」ではなく、色を持った白です。
どんな白でも、必ず明暗の差があります。
まずは「白にも段階がある」ということを覚えておいてください。
色ではなく「差」を見る
次に、丸い形を想像してみましょう。
ある背景の上に置かれた丸は、薄いグレーに見えるかもしれません。
でも背景を変えると、同じ色の丸が白く見えることがあります。
丸の色は変わっていなくても、背景の色が変わるだけで印象が変わるのです。
これは、人の目が「色そのもの」ではなく、**周りとの違い(差)**で色を判断しているからです。
周りに色があると白は塗りやすい
例えば、黄色みのある花を見たとき、影の部分にはかなり色が入っていても、
周りに色があることで「少し黄色みのある白い花」と自然に認識できます。
背景や周囲に色が入るとコントラストが生まれ、
白として認識できる範囲(白の許容範囲)が広がるのです。
そのため、塗り絵で白いモチーフを塗るときは、
先に周りを塗ってから白を塗るのがおすすめです。
背景が入ることで白に色を入れやすくなり、勇気も出ます。
白を白として見せてくれるのは、実は背景なのです。
背景も白いときはどうする?
では、背景も白い場合はどうでしょうか。
白に白を重ねることは不可能なのでしょうか。
例えば、白い背景に置かれた卵を思い浮かべてください。
周りが白でも、ちゃんと白い卵に見えますよね。
これは、光と影によって立体感が出ているからです。
人は、明暗があることで物体を認識します。
ただし注意点もあります。
色を濃く入れすぎると、白ではなくグレーに見えてしまいます。
背景が白い場合は、
白の許容範囲が狭くなるため、
-
明るい部分は特に薄く
-
影も濃くしすぎない
このバランスがとても大切です。
白は「周りとの関係」で決まる
周りに色が入った作品では、服やリボンにかなりグレーを使っていても白に見えることがあります。
それは、周囲にさらに明るい色が置かれていないからです。
逆に、線画の状態や背景が白のままで見ると、
同じ色でもかなりグレーに見えてしまいます。
白は、周りの色との関係で見え方が変わる色。
だからこそ、周囲に合わせて色の濃さを調整することが大切です。
白い背景に白を塗るときのポイント
まとめると、白い背景に白いものを塗るときのポイントは次の通りです。
-
光と影を作り、立体感を出す
-
明るい部分に色を乗せすぎない
-
影も濃くしすぎない
-
塗り込みすぎるとグレーになるので注意する
「塗らなさすぎ」ではなく、「塗りすぎない」ことが白さを保つコツです。
白はグレーだけじゃない
白を塗るときに使う色として、グレーはとても便利です。
しかし、グレー以外の色でも白に見えることがあります。
白は、鏡のように周りの色や光を映す色です。
置かれる環境によって、白は違う色に見えます。
-
背景が青いと、白も青みがかって冷たい印象に
-
背景が暖色だと、白もクリーム色寄りで柔らかな印象に
特に影の部分は、背景の色の影響を強く受けます。
影は「黒」ではなく、周りの色が入り込む場所だと覚えておきましょう。
白を塗るときの考え方・まとめ

最後に、白を塗るときの考え方を整理します。
-
背景が濃い場合
→ 多少色が入っていても、周りより明るければ白に見える -
背景が薄い場合
→ 塗りすぎず、背景との差を意識する -
背景が寒色の場合
→ 白も寒色寄りに -
背景が暖色の場合
→ 白も暖色寄りに
そして、大切なポイントはこの3つです。
-
白を単独で考えない
-
白は周りの色に影響される
-
背景や周囲が「白」を決めている
白=塗らない、から卒業しよう
今日からは「白=塗らない」ではなく、
いろいろな塗り方を試してみてください。
身近にある白いものを観察するのも、とても良い練習になります。
ぜひ、楽しみながら白の表現にチャレンジしてみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


